猫にもストレスはある?!その要因と解消法とは?

 猫はとても繊細な一面を持つ動物です。毎日のんびり自由に過ごしているように見えますが、ストレスを感じやすい動物でもあります。人間と同じようにストレス解消をしてあげることが大切です。とはいえ、目に見えないストレスには気付きにくいもの・・猫のストレスのサインにもしっかり気づいてあげたいですよね。

 今回は猫のストレスの要因やその解消方法などをご紹介します。

 

猫のストレスに気付いて!こんなサインに注意

 まずは猫のストレスに気付いてあげることが大切です。猫がストレスを感じると行動や見た目などに変化が現れます。そのサインを見逃さないようにしましょう。


<サイン①>ご飯を食べなくなる

 いつも食べていた量を残すようになる、好物のフードも食べてくれない、そんな食欲の低下が起こります。体重が減ってしまったり、すでにストレスが原因で病気になり食欲不振になっている可能性もあります。食事の様子にこのような変化が現れたら注意が必要です。


<サイン②>体調不良

 ストレスにより体調不良を起こしてしまうことがあります。胃腸が弱ってしまい、嘔吐下痢をしてしまったり、便秘になってしまったり・・一過性の症状の場合もありますが、長く続いていたり普段と明らかに様子が違う場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。


<サイン③>粗相をしてしまう

 猫は綺麗好きな動物です。決まった場所で排泄します。トイレ以外で粗相をするようになったらストレスが原因かもしれません。


<サイン④>グルーミングが増え、自傷行為をしてしまう

 グルーミングは毛並みを整え、気持ちを落ち着かせるための行動です。猫のグルーミングの頻度が増えるということは、それ程気持ちを落ち着かせる必要があるということ。つまり、ストレスが溜まっているということです。グルーミング行動が過剰になりエスカレートすると、手足や尻尾を噛んでしまい自傷行為に発展してしまう場合もあります。


<サイン⑤>急に家中を走り回る

 若い猫に見られる症状ですが、夜中に急に走り回ることがあります。走り回ることでエネルギーを一気に消費してストレス発散をしていると考えられます。高齢の猫でこの行動が見られる場合、甲状腺の病気かもしれませんので、一度病院で診察を受けましょう。


猫のストレス要因はなに?

 猫がストレスを感じるのはどんな時でしょうか?猫のストレスのサインに気づいたら原因を探ってみましょう。


<原因①>生活環境

 猫は縄張りを持つ動物で、生活環境をとても大事にしています。その生活環境が大きく変化した場合、猫にとって大きなストレスとなってしまうのです。

 例えば、引っ越しをした際は猫の生活する場所も大きく変化しますよね。

 猫のトイレ環境にも配慮が必要です。トイレが汚れていたり猫砂が合わない場合もストレスの原因となってしまいます。

 さらに爪研ぎができる場所がないことも猫にとってはストレスです。


<原因②>音や匂いによる刺激

 優れた聴覚を持っている猫にとって、大きな音はストレスの原因となることがあります。猫の近くで大きな音を出したり、家電製品による騒音も猫は嫌がるかもしれません。自宅近くで騒音を伴う工事が行われていたら、その音も猫にもストレスになってしまうことも。

 また、匂いにも注意が必要です。人間にとってはいい匂いと感じるアロマや芳香剤なども、猫には不快な匂いとなってしまうことがあります。


<原因③>人間とのコミュニケーションの取り方

 猫の性格は人間と同じように様々です。

 甘えん坊な性格の猫にとっては、ペットペアレントさんに構ってもらえなかったり一緒に遊んでもらえないと、それがストレスになってしまいます。

 逆に、人間とコミュニケーションを取ることをあまり好まない猫にとっては、必要以上に体を触られたり無理やり抱っこされたりすることはストレスです。


<原因④>運動不足

 猫によっては運動不足がストレスとなってしまう場合があります。猫は元々狩猟動物なので、運動は大好きです。室内飼いの猫は運動不足になりがちなので注意が必要となります。


猫のストレスはどんな病気に繋がるのか?

 猫がストレスを溜めるとどんな病気にかかってしまうのか、その危険性を知っておきましょう。人間もストレスを溜めるとそれが病気につながってしまうように、猫にも病気の危険があります。


<病気①>皮膚炎

 猫が過剰なグルーミングで自分の体を舐め続けることにより皮膚炎になってしまうことがあります。肌がただれ、痒みが生じます。


<病気②>心因性脱毛

 体毛が禿げてしまう病気です。部分的に禿げてしまうことが多いでしょう。寄生虫などが原因のこともありますが、そうでない場合はストレスが原因の可能性が高いです。


<病気③>突発性膀胱炎

 頻尿や血尿を起こします。ストレスが原因の1つである可能性が高いと言われています。


<病気④>風邪など体調不良

 ストレスにより免疫力が下がることで風邪や体調不良を起こしやすくなります。


<病気⑤>分離性不安症

 強いストレス、不安から粗相を繰り返したり、威嚇して大声で鳴いたりしてしまいます。


猫のストレス解消法

 猫にとってストレスは大敵!上手にストレスを解消してあげましょう。


<方法①>生活環境を整えてあげる

 引っ越しした際は猫が慣れるまで、落ち着いて生活できるように環境を整えてあげましょう。お気に入りのマットやおもちゃはそのまま使ってあげたり、引っ越し前となるべく環境を変えないようにしてあげてください。

 猫の多頭飼いを始めたり、犬など他のペットを新しく迎える場合も、まずはお部屋を分けてあげて徐々に慣らしていくなど工夫してあげるといいでしょう。自分の縄張りに外敵が入ってきたと思わせるようなストレスを与えないようにしてあげてください。

 トイレ環境を整えることもとても大切です。こまめな清掃をしてあげてください。トイレの設置場所や猫砂を見直してみましょう。

 また、爪研ぎの場所がない場合は、爪研ぎができる場所を作ってあげましょう



<方法②>大きな音や匂いに気をつける

 猫が嫌がる匂いや大きな音でストレスを与えないようにしましょう。アロマや芳香剤の匂いが強すぎると、猫には不快かもしれません。


<方法③>運動不足の解消

 室内飼いで運動させるのが難しい場合、キャットタワーを設置してあげるのがおすすめです。高低差を使って猫の運動を促します。もちろん、おもちゃを使って猫と一緒に遊んであげるのも効果的です。



<方法④>猫とのコミュニケーションの仕方を見直す

 猫の性格を理解してあげて、それに合ったコミュケーションの取り方を心がけてあげましょう。

 甘えん坊な性格の猫だったら、おもちゃで一緒に遊んであげたり、スキンシップをとって寂しい思いをさせないようにしてください。

 あまりスキンシップを好まない性格の猫には、少し距離を置くことも必要かもしれません。尻尾やお腹など、猫が嫌がるところを無理に触ったりしないようにしましょう。


<方法⑤>猫の好物なご飯やおやつをあげる

 人もストレス解消のために好きなものを食べて発散する、ということはよくありますよね。猫も同じで、美味しいものをあげてストレス解消を促してあげましょう。あげすぎないように気をつけましょうね。

 

 愛猫がストレスを溜めて苦しんでいたら、すぐに助けてあげたいですよね。

 些細な変化かもしれませんが、ストレスのサインに気づいてあげることが大切です。

 猫のストレス解消のお手伝いをしてあげて、楽しい時間を過ごしてくださいね!