犬にも歯周病?!歯磨きをして予防しよう

 愛犬のお口トラブル、気になったことはありませんか?口臭が気になったり、歯の汚れが気になったり・・犬も人間と同じく虫歯にもなりますし、更には歯周病の発症が多い動物と言われているのです。歯周病になってしまうと、生活する上で必要不可欠な食事にも影響しますし、もちろん治療が必要になり、犬への負担は大きくなってしまいます。

 愛犬のお口トラブルを防ぐためにも、歯磨きをしてあげることが大切ですね。犬の「歯」について理解を深めていきましょう。

 今回は、犬の「歯」について、そして歯周病などのお口トラブルの予防法をご紹介します。


犬の歯の本数と構造について

 まずは犬の歯についての基本的な情報について知っておきましょう。

 犬の歯の本数は、子犬の時に28本、その後成長していく過程で歯が生え変わっていき、成犬になると42本にもなります。人の歯は28本〜32本なので、人よりも断然多い本数ですね!歯の種類は切歯、犬歯、前臼歯、後臼歯と、人と同じ構造でできています。犬は肉食動物なので、獲物を捕まえ食べるため、鋭く進化しました。

 更に、犬は人よりも歯石が溜まりやすいといわれています。歯石とは歯垢が石灰化して固まってしまったものです。人は歯垢から歯石になるまで、およそ20日ほどと言われていますが、犬はなんと3日ほどで歯垢から歯石へと変わってしまうのです。

 また、犬の口内はアルカリ性で、歯周病菌が繁殖しやすい環境であるといわれています。

 犬は歯石が溜まりやすく、歯周病菌も繁殖しやすい。このことからも犬のデンタルケアは習慣として日々行っていくことが大切だといえます。


犬の歯周病

 なんと、犬のおよそ80%が歯周病を発症してしまうといわれています。犬は歯石が溜まりやすく、歯周病菌が繁殖するには絶好の口内環境なのです。犬の歯周病はどんな症状を引き起こすのでしょうか?

 まず歯周病とは、主に2種類の病気に分けられます。歯垢が歯と歯茎の間に溜まり歯茎が炎症を起こしてしまう歯肉炎と、歯肉炎を治療せず放置して重症化し、歯を支える組織まで炎症を起こしてしまう歯周炎です。これらの口腔内で起こるトラブルを歯周病と呼んでいます。

 犬の歯周病の症状は、歯茎が赤く腫れ、炎症を起こすことから始まります。口臭も発生し、痛みが出て出血することもあるでしょう。そのまま悪化していくと歯がぐらつき抜けてしまうことも。更に重症化した場合、顎が骨折したり、細菌が鼻孔まで到達し鼻炎を引き起こすこともあります。

 口腔内の歯周病菌が犬の体に与える影響は大きく、心臓や肝臓、腎臓にも悪影響となり、心疾患や腎不全などを引き起こしてしまう恐れもあるのです


歯周病のチェックをしよう!

 犬の歯周病は軽度の症状(歯肉炎)で発見できれば、治療を受け治すことができるといわれています。歯肉炎に気付けず歯周炎まで悪化してしまうと、治療も大がかりなものになったり、完治が難しいともいわれているのです。

 犬が自ら歯周病に気づくことは難しいので、ドッグペアレントがお口の状態をしっかりチェックしてあげましょう。


〜歯周病チェック項目〜

・口臭がある

・歯茎が赤く腫れている、赤黒い

・歯の表面が黄色または茶色っぽく汚れている

・ヨダレを垂らし口元が濡れている

・口を触られるのを嫌がる

・くしゃみが多い

 

 歯周病の疑いが見られる異変を感じた場合は、早めに動物病院で相談してみてくださいね。


お口トラブルの予防「歯磨き」が大事!

 犬の歯周病について理解を深めたところで、重要になるのがその予防法ですよね!人と同じく、犬にも歯磨きが必要になります。日々の歯磨きを習慣化して、歯石が溜まらないようにし、歯周病のリスクを下げていきましょう。

 いきなり歯ブラシを口の中に入れて磨こうとすると、当然犬は嫌がるかと思います。徐々に慣らしていくことが大切です。

 まずは口の周りから触ることに慣れてもらうことから始めます。

 口の周りを触ることに慣れてきたら、歯や歯茎を触っていきましょう。

 犬が触られることに慣れてきたら、歯ブラシを歯に当てていきます。歯ブラシは犬ようのものを使ってください。これも徐々に行なっていき、まずは前歯、慣れてきたら奥歯など、犬が嫌がらない歯から歯ブラシを当ててみましょう。

 歯ブラシにも慣れてきたら、歯1本ずつを歯ブラシを優しく当て、丁寧に磨きます。

 慣らしていく過程でも、歯磨きができるようになってからも、出来たらたくさん褒めてあげてくださいね。歯磨きへの苦手意識をなくしてあげましょう。

 歯ブラシをどうしても嫌がってしまう時は、指でケアできる歯磨きペーストもおすすめです!

大切なワンちゃんやネコちゃんの歯の健康を維持するための多くの選択肢を作るために

 歯磨きの頻度の目安は1日に1~2回です。余裕があれば、毎食後行うのも更に効果的。1日に1回も難しいようでしたら、最低でも3日に1回は歯磨きをして歯石が溜まることを防ぎましょう。


最後に

  犬のお口トラブルは、放っておいたら犬の健康にも大きな影響を与えてしまうことがわかりましたね。日々の歯磨きを習慣化することは、愛犬の健康を守ることへと繋がります。

 少し大変かもしれませんが、1日1回の歯磨きを目指して、愛犬の口内環境を整えてあげましょう!