犬がドッグペアレントの傷口を舐める理由
どうして犬は傷口を舐めてくるのでしょうか?
ペアレントさんがケガをしてしまった時、すり傷や切り傷を愛犬に舐められたことはありませんか?この行動は、愛犬が愛情と気遣いをあなたに示している可能性があります。母犬が子犬のいかなる傷も舐めていたように、愛犬はもしあなたが傷を負ったら介抱してあげようとしているのかもしれません。
ケガを素早く対処することは犬や人間、他の動物にとって本能的な理由から起こす行動で、犬は傷口を舐めて綺麗にする動物の一種。猫、齧歯類の動物、猿も同様の行動をします。
犬の唾液は傷を治すの?
人間の傷を犬が舐める利点
犬に人間の傷口を舐めさせるにはいつくかのリスクがありますが、理論上は犬の唾液には傷を清潔にするために役立つ化合物が含まれており、さらには舐めるという手当の行動は傷口からゴミを取り除くのに役立ちます。
犬の唾液には以下の化合物が含まれており、抗菌作用と傷の治癒作用があるとされています。
リゾチームとペルオキシダーゼ酵素
特定の細菌を殺すのに役立ちます。
ラクトフェリン、ディフェンシン、シスタチン
抗菌作用があります。
オピオルフィン
痛みを和らげます。
トロンボスポンジン
抗ウイルス作用があります。
硝酸化合物
細菌の成長を抑制します。
プロテアーゼインヒビターと上皮成長因子
治癒を促進させます。
犬が傷口を舐めたらどうなる?
犬の唾液には傷口をきれいにする成分が含まれていますが、犬の口の中には大量のバクテリアがいる可能性が高く、かえって感染症を引き起こしてしまうかもしれません。
犬に傷口をなめさせるべき?
残念ながら、犬の唾液には治癒効果がありますが、犬に傷口を舐めさせることで発生するリスクの方が高く、舐めさせるべきでないでしょう。犬が自分の傷口を舐める場合、大量に舐めると塞がった部分が離れたり、閉じた傷口が再び開いたりして、感染症にかかりやすくなったり、汚れやゴミが蓄積します。また、過剰な舐め方によって皮膚が傷つき、ホットスポット(急性湿疹)ができて、口から傷の深層部にバクテリアが侵入することもあります。その結果、傷の治りが大幅に遅れたり、止まったりして、最悪の場合、膿瘍や蜂窩織炎、さらには全身性の感染症を引き起こす可能性もあります。犬に舐められた時の感染症を防ぐために、日常から犬の口腔内環境を整えておくのもおすすめです。