【獣医師監修】愛犬愛猫のための医学~肛門嚢(腺)炎~

今回のテーマ

肛門嚢(腺)炎

症状/原因

この病気にかかると、多くの場合、ワンちゃんやネコちゃんは肛門に不快感を覚え、気になるため肛門を舐めたり、咬んだり、自分の尾を追いかけるなどの仕草をします。
お座りの状態で前進する愛犬愛猫の姿を目にしたことはありませんか?その場合も、注意が必要です。

ワンちゃんやネコちゃんには、肛門の左右に肛門嚢(腺)という袋が一対あります(肛門嚢は肛門を時計盤の中心とすると、肛門粘膜の4時と8時の位置)。
肛門嚢の中に貯留物(液体orペースト状のもの)が入っていて、通常は排便時にこの貯留物を排出しています。
肛門嚢(腺)がある肛門部分が汚れてしまったり、逆に肛門嚢を絞りすぎてしまう等により、この肛門嚢(腺)が炎症を起こしてしまうことを肛門嚢(腺)炎といいます。

予防

予防としては、こまめに肛門嚢に貯留物が溜まっていないか確認してあげることです。

正常の場合、ウンチと一緒に貯留物も排出されるので、問題はないのですが、自分で貯留物を排出できない子もいます。
その場合は、貯留物をペアレントが絞ってあげなければなりませんが、絞り方にはコツがいりますので、上手く絞れない時にはトリミングサロンや動物病院にお願いすることもできます。
病気でないと、動物病院に行くのを躊躇しがちですが、月1回など定期的に肛門嚢の貯留物を絞りにくるだけの子もいます。
このように定期的に受診することで、他の病気の早期発見にも繋がります。

また、ワンちゃんやネコちゃんによって肛門嚢の貯留物が溜まりやすい子もいますので、愛犬愛猫の肛門嚢の貯留物の溜まり具合を知ることが大切です。
肛門嚢炎が進行すると嚢内が化膿し、肛門付近の皮膚が破れて出血してしまう場合もありますので、予防と早期発見してあげれるようにしましょう。

検査/診断方法

身体検査:視診/触診/肛門嚢(腺)絞り

治療

肛門嚢を絞って溜まりすぎている貯留物を排出させます。

炎症がひどい場合や化膿が起こっている場合には外用薬や内用薬のお薬が投与を行います。
皮膚が破けてしまっている場合には継続的な消毒や外科的な縫合(縫う処置)が必要な場合もあります。

再発が続く場合、肛門嚢自体を外科的手術によって摘出することもあります。

獣医師スタッフ 原のQ&A

Q.肛門嚢(腺)炎にかかると治るまでに通院はどのくらいですか?

単純な炎症の場合、消炎鎮痛剤や抗生剤の投与によってほとんどが約1-2週間程度で軽快します。
それ以上経っていてもなかなかよくならなかったり、何度もすぐに繰り返してしまう場合はより大きな病気が隠れていることがあります。
万が一その様な状況になった時は先生とより精密な検査をする必要があるかよく相談する様にしましょう。

Q.肛門嚢(腺)炎になりやすい犬種猫種はありますか?


肛門腺が出すのが上手ではない子がなりやすく、あくまで個体ごとの問題になってくるので特定の犬種がなりやすい。というのは知る限りではないかと思います。
では、自分の子はどうなんだろう?と気になる方は予防方法にもあるように、かかりつけの先生に何度か肛門腺を絞ってもらいながら、肛門腺のたまるスピードや内容物の固さ(液体っぽいのか固いペースト状なのか)などを評価してもらいましょう。