身体に良い完璧なバランスの食事とは? 〜犬猫の栄養学〜

ペットの栄養について話すとき、いつも”バランスの良い完璧な食事を”と聞きますが、どんな食事のことを言うのでしょうか?

ペットフードによく貼られている”完璧でバランスの良い”というラベルはその商品がペットの毎日の食事に必要な割合の栄養素を摂取できるよう配合をされていることを意味しています。

全米飼料検査官協会(以下AAFCO:The Association of American Feed Control Official )は、”完璧でバランスの良い”とラベルを貼る前に、推奨される栄養素の紹介と給餌試験に関するガイドラインを定めています。

従って、ペットフードを選ぶ時、ペットフード会社の主張がAAFCOによって裏付けられているかをシールで確認しましょう。

 

ペットによって異なる「完全でバランスのとれた」食事


ネコちゃんとワンちゃんでは、特定の栄養素に対する必要性が異なるため、完璧でバランスのとれた食事は、それぞれに固有のものとなります。

ペットが必要とする栄養は、年齢、種類、ライフスタイル、そして健康状態によって異なるため、ライフステージ別の食事を与えましょう!

子犬や子猫、妊娠中や授乳中の成犬には、より多くのカルシウムとマグネシウムが必要になり、シニアのペットの場合は、腎臓へのダメージを防ぐために、食事に含まれるミネラルの量を少なくする必要があります。

本記事では、成犬の維持に必要な栄養素を例に”完璧でバランスの良い”食事を解説していきます!

AAFCOでは、完全でバランスのとれたペットフードに含まれるべき必須栄養素として、以下を推奨しています。

 

ビタミン・ミネラル類


ビタミンとミネラルは、犬の体のほとんどの物理的・生理的機能に重要な役割を果たしています。

ワンちゃんの食事の15~20%が理想です。

 

脂質


脂質は、エネルギー源として不可欠です。

また、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸(オメガ3やオメガ6など)の吸収と利用を促進し、脂肪は健康な皮膚や毛並みを維持、免疫系の機能を高め、体の主要な器官系の発達を助けます。

脂質は成犬のドッグフードの10~15%です。

 

炭水化物


ペットフードに含まれる炭水化物は、体の主なエネルギー源となります。

複合糖質の一種である食物繊維は、大腸の健康を促進し、体重管理に役立ちます。

ワンちゃんの1日の食事量の15~20%(食物繊維は5%以下)が理想です。
 

タンパク質


タンパク質は、体を構成する要素で体内の組織や器官の成長、発達、修復に欠かせないものです。

タンパク質成分は、ワンちゃんの食事の30~40%が望ましいと言われています。

一方、ネコちゃんは完全肉食動物であるため、ワンちゃんとは異なる栄養ニーズがあります。

そのため、ドッグフードを猫に与えたり、その逆を与えることは、栄養失調の原因となるのでお勧めできません・・・

成猫の食事で推奨される栄養組成は、タンパク質40%、油脂30%、ビタミン・ミネラル25%、炭水化物5%となっています。

また、水は基本的な栄養素なので、ワンちゃん、ネコちゃんがいつでも新鮮できれいな水を簡単に飲めるようにしてあげましょう。

 

原材料のリストを確認する


愛犬愛猫の健康を考える場合、ペットフードを購入する前に、成分表をチェックする習慣を身につけるといいでしょう。

完璧でバランスのとれたペットフードの最初の原材料は、高品質のタンパク源でなければなりません。

そして、充填剤、人工添加物、染料、防腐剤、その他の化学物質が含まれていないことを確認しましょう!