獣医さんにかかる理由の一つとして、多くみられるのが猫の嘔吐。
一時的なものもありますが、時には根本的な原因を特定するためにたくさんの検査が必要な場合があります。
一時的に吐いてしまうこと自体は稀に見られますが、嘔吐は体内に何か問題がある重要なサインでもあります。
もしも今、愛猫さんが透明な液体を数回戻していたら、獣医さんに相談をしましょう。
吐いてしまう原因はたくさんありますが、寄生虫、消化不良、ストレス、消化器官内の毛玉などがその例です。
そのほかにも、消化管の閉塞、甲状腺や腎臓の問題、膵臓炎、炎症性腸疾患(IBD)、さらには癌など、より深刻な場合もあります。
今回は猫が透明な液体を吐いてしまう主な原因をご紹介します。
猫が透明な液体を吐いてしまう場合に考えられる原因
1. 毛玉
グルーミング(毛繕い)は猫にとって日常生活に欠かせない行動で、清潔さと健康を保っています。
猫の舌には毛がありその先端がフックのようになっているため、抜け落ちた毛をグルーミングで取り除いています。
この時、毛を飲み込んでしまっても、そのほとんどが問題なく消化器官を通りますが、時々、胃のなかに残り絡まって毛玉になってしまいます。
毛玉があると胃が刺激されて、それがやがて嘔吐を引き起こすきっかけとなります。
猫は通常毛玉を吐く前に透明な液体を吐くことがあります。
たまに毛玉を吐くことは深刻に捉えなくても問題ないですが、もし猫が毛玉を繰り返し戻したり、吐くことが難しく苦しそうにしていたら、何か問題があるかもしれません。
予防としては、ペットペアレントが頻繁にブラッシングしてあげることで、猫が自分で抜け毛を飲み込んでしまう量を軽減することができます。
また、毛玉を形成することを予防する栄養補助食品もあります。食物繊維の摂取を増やすことも、毛玉の問題を軽減するのに役立ちます。
2.猫の食生活の変化
突然の食事の変化は、猫が消化不十分の食べ物と透明な液体を吐いてしまう原因になってしまいます。
よく言われるのは、移行期間を1~2週間設け、新しいキャットフードの量を徐々に増やし、現在のフードの量を減らしていくことで、完全に新しいキャットフードに切り替えていきます。
新しいお食事に変更したい場合は、事前にかかりつけの獣医さんに相談することもお勧めします。
他の要因として、猫が早食いをすると胃の中の食べ物の内容物を含んだ透明な液体を吐くことがあります。
慢性的な嘔吐がある猫には、フードパズルのようなボウルが有効な場合があります。
フードパズルで遊ぶことで、猫が早食いになって嘔吐するのを防ぐことができます。
猫のフードボウルをスローフィーダー(突起物の付いた食べるのを遅くするボウル)に変えるのも、早食いや食べ過ぎの猫に対処する方法のひとつです。
3. 消化不良
猫の消化不良は、通常、塩酸(HCl)の蓄積が胃を刺激することで起こります。
人間と同じように、胃の中の特別な細胞が塩酸を作り出し、消化のプロセスを助けます。
猫が食事を抜くと、胃の中に塩酸が蓄積されて消化不良を起こし、白い泡と一緒に黄色い泡を吐くことがあります。
消化不良と思われる場合は、ペットの一日の食事量を何回かに分けて、一日の中で特定の時間に食事を与えることで、胃の中に塩酸(HCl)が蓄積されるのを防ぐことができます。
4. 胃炎
猫は食べ物ではないものを口にすることがあります
その結果、胃に炎症が起こり、透明な液体を吐くことがあります。
重症の場合は、吐いたものの中に血液や胆汁が含まれていることもあります。
また、胃炎にかかった猫は、無気力、抑うつ、食欲不振、脱水症状などの症状が現れることがあります。
5.吐き気
癌や糖尿病、腎臓病などの重篤な疾患で吐き気を催している猫は、透明な液体を吐くことがあります。
6. 毒物の摂取
猫が何かご飯以外のものを摂取した心当たりがあり、それが毒物である場合は、症状が現れる前であっても、早急にペットを獣医に連れて行く必要があります。
毒物の影響を打ち消すための解毒剤を投与する必要があるかもしれません。
獣医の判断によっては、嘔吐を誘発したり、胃洗浄を行ったりする必要があります。また、毒素の影響を和らげるために活性炭を投与することもあります。
猫が透明な水を吐くその他の原因としては、寄生虫の存在、胃腸炎、便秘、摂取した異物が消化管のどこかで閉塞を起こした場合、腎臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病などの代謝障害などが考えられます。
猫の嘔吐:どんな時に気をつけるべき?
猫が頻繁に嘔吐することは、決して正常なことではありません。
猫がよだれを垂らしたり吐いたりしている場合は、よく観察して獣医の意見を聞く必要があります。
もしあなたの猫が頻繁に嘔吐したり、下痢、体重減少、水分摂取量の増加、吐き気、よだれ、無気力などの他の病気の症状を示している場合は、早急に獣医に連れて行った方が良いでしょう。
週に1~2回の嘔吐、または数週間以上続く嘔吐は、付随する症状がなくても、獣医の診察を受けるべきです。
食べたり飲んだりした後に嘔吐する猫は、早急な医療介入が必要な緊急事態に陥っている可能性があります。
また、ひもやおもちゃなどの異物を摂取した場合も、緊急事態と考えられます。
床にできた嘔吐物に色がついていないか確認するとよいでしょう。
赤みがかった色は、嘔吐物の中に血液の痕跡があることを意味し、緑がかった色は下部消化管に問題があることを意味します。
症状が悪化するのを待つのではなく、すぐに早期の医療を受けましょう。
この記事が参考になりますと幸いです。