猫と暮らしている皆さんにとって、愛猫が毎日美味しくご飯を食べてくれることは最優先事項だと思います。
しかし人間にとっての「美味しい」と猫にとっての「美味しい」は違います。
この記事では、人と猫では「美味しい」がどのように違うのか?について解説します。
キャットペアレントの皆さんが楽しく愛猫の好きな味を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
人間と猫の味覚の違い
人間は食事を楽しむ際、多様な味覚で味を感じ美味しいと感じています。
具体的には塩味、甘味、苦味、酸味、旨味に分類されます。
猫の味覚において「苦味」「酸味」などに対して人より敏感に感じ、避ける傾向にあることもわかっています。
これは猫が野生において時間のたち腐敗した食べ物を避けるために発達したとされています。
人においてこの味の変化をイメージしやすいものでいうとコーヒーやワインなどでしょうか。
注いでから時間が経つとすぐに酸っぱくなってしまいますよね。
また、よく猫は「甘味」を全く感じていないと言われますが、こちらについて勘違いされがちなので詳しく解説していきます。
実は猫も「甘味」を感じてる?
さきほど猫は「甘味」を感じない。と書きましたが、キャットペアレントの中には猫が甘いデザートを食べようとしている場面に出会い、不思議に思った経験をお持ちの方がいるかもしれません。
先ほど述べた感じていない「甘味」というのはいわゆる糖分のこと。
猫は確かに糖に対してほとんど反応しません。(もしくは美味しさに関係ない)
ただ、アミノ酸が関与する甘味に対してはとても敏感であることが知られています。
簡単な例でご説明します。
皆さんは高級なお肉を食べた時、どのように旨味を表現しますか?
「とろけるようで甘い」といった表現をしませんか?
実はこの甘いと感じる成分の正体はグルタミン酸などのアミノ酸、つまりアミノ酸は旨味であると同時に甘味でもある。というわけなんですね。
もうひとつ猫が感じる甘味があります。
それはメイラード反応が関与している甘味。特にデザートを食べたがる理由になりやすいのはこちらかもしれません。
メイラード反応とは糖に熱を加えることでアミノ酸と反応し香りや旨味のもととなる成分ができる反応のこと。
焼きたてのクッキーやパンが良い香りをするのにはメイラード反応も関与しています。
つまりこちらも糖ではなく、アミノ酸が関わった甘味ということになります。
人とは少し違うかもしれませんが猫もしっかり甘味を楽しんでいるというわけです。
猫にとって美味しい食事とは
それでは猫にとって美味しいと感じる食事はどのようなものでしょうか。
これにはアミノ酸が非常に重要な鍵である。と甘味の説明を通してお話させていただきました。
アミノ酸は主にタンパク質の構成要素。(下の画像をタンパク質とすると、アミノ酸はそれぞれの丸の部分にあたる)
つまりタンパク質が豊富かどうか?はひとつの目安になるといえるでしょう。
また冒頭で猫は苦味や酸味に対して敏感だ。という話をさせていただきましたがこの苦味や酸味の元になる成分は主に時間経過による酸化や腐敗によって発生します。
つまり、なるべく新鮮であるか細菌が増えづらい環境(未開封、冷蔵保存)で保管されているものが好ましいと言えるでしょう。
また商品の製造過程において適切に熱が加わっているものは適度にメイラード反応が起きており美味しくなっているといえます。
具体的には商品の色味をみると良いでしょう。いくら熱が加わっているとはいえ、焦げをイメージさせるほど茶色や黒が強いものは猫にとっては旨味ではなくなっていることが多いです。
ポイントを改めてまとめるとこうなります。
①タンパク質が豊富かどうか
②原材料が新鮮かどうか
③熱処理が加わっているか
ぜひ、この3つのポイントを気にしながら愛猫のフード選びを楽しんでみてしてみてください。