商品パッケージに「グレインフリー」と書かれた商品、ご覧になったことはありますか?
私たちの事業の始まりの土地、シンガポールでは多くのペットペアレントの方達がグレインフリーのフードを選んでいます。
シンガポールのperromartで人気ランキングを見ると、おやつも含めたペットフードの人気ランキングトップ10のうち、グレインを含まないフードは8つ。
ドライフードだけに絞ってもトップ10のうち、6つがグレインフリーのフードを占めています。
これは、シンガポールのペット文化のルーツが欧米から来ていることが影響していると考えられています。
2020年、perromartからもグレインフリーのペットフードをリリースし、日本のペットペアレントの方でも手にとっていただけるようになりました。
リリース後、様々なレビューをいただき、「グレインフリーのフードを初めて食べたけど便が改善された」「食いつきがよい」などの嬉しいコメントをいただく一方で、「初めて食べたんだけどグレインフリーのなにが良いの?」「うちのペットに合う?」というご質問もいただきます。
目にすることは増えてきたけど実際のところよくわからない。
それが「グレインフリーペットフード」の状況なのかなと思います。
私たちは、グレインフリーのペットフードがすべてのペットに良いと考えているわけではありません。
ワンちゃん、猫ちゃんの個々の種類や年齢、体調によって良いフードは変わるものだと考えています。
その上で、今回はグレインフリーってそもそも何?というところから、フードを選ぶ上で気をつけた方が良いこと、一緒に暮らすペットに合うグレインフリーペットフードの探し方などをお伝えいたします。
そもそもグレインフリーとは
グレインとは「穀物」のことです。
グレインがフリーのペットフードとは、穀物を原材料に使用していないペットフードのことを指します。
穀物で私たち日本人が最もイメージしやすいのはお米ですが、他にもパスタやピザ、パンなど世界的に広く使われている小麦。
そしてとうもろこしも穀物に含まれます。
これらはイネ科に該当する穀物ですが、広く穀物と捉えると大豆やあずき、そら豆、落花生などのマメ科。
そしてお蕎麦も穀物に含まれますが、ペットフードにおけるグレインフリーでは主にイネ科を使わないフードとして考えられています。
実際、ペットフードでは小麦やとうもろこしが多く使われていることをペットフードのラベルで確認ができます。
もしまだペットフードのラベルを意識的にみたことがない方は、ラベルの原材料の箇所に一番最初に何が書かれているかを確認してみてください。
原材料として含まれている量が多い順に記載されていますので、1番最初に小麦やとうもろこしが書いてあればそれが最も多く含んだフードとなります。
グレインフリーのペットフードでは、イネ科の穀物が使われていないためラベルには小麦やとうもろこしなどの表示がありません。
グルテンフリーとの違いは?
グレインフリー と似た言葉で、「グルテンフリー」があります。
「グルテン」とは、麦類全般に含まれているタンパク質の一種です。
近年、ペットフードに関わらず人間向けのフードでも体に良いフードとして広まってきていますので聞いたことがあるかたも多いのではないでしょうか。
ピザやパスタ、うどん、らーめんなどの食品やビールなどの原料にも使われているように、世界中で愛されている麦類ですが、一方で麦製品にアレルギーを持つ方や、麦に含まれるグレインが体内で腸によくない影響を出すと言われていることもあり、グルテンを使わない食材を好む人もいらっしゃいます。
話をペットフードに戻しますと、グレインフリーのペットフードとは麦類も含んだイネ科の穀物を原材料に使わないフード。グルテンフリーのペットフードとは麦類に含まれるタンパク質を原材料に使わないフードのことを指します。
ペットフード選びで気をつけることは?
ここまででグレイン自体が良い、悪いというわけではないことをお伝えしてきました。
では、一緒に暮らす愛犬愛猫に合うペットフードをどう選ぶのか、2つあると私たちは考えています。
1つ目は、一緒に暮らす愛犬愛猫の特徴を理解することです。
ペットにも種類があり、個体差もあれば、年齢も異なり、好みもあれば、時には好みの変化もあるかもしれません。
「一緒に暮らす愛犬愛猫の特徴を理解する」良く言われることですが、これがまず基本です。
2つ目は、ペットフードの特徴を理解することです。
特徴を理解する上で、ペットフードを提供する側の私たちとして、ペットフードをどのように企画し作っているかがヒントになると思いますのでお伝えします。
ご存知のようにペットフードは数多くあり、新しいフードも次々と出てきます。そして、それぞれのフードは何かしらの特徴を持たせてつくられています。
特徴を理解しようとすると、どうしてもグレインフリーなのかありなのか、原材料はなにが多いか、生産地はどこか、金額は・・・項目ごとに見てしまうのではないでしょうか。
私たちはペットフードをつくる際に、コンセプトから考えます。
ペットとペットペアレントを考え、そして現状のフードや社会の変化などをふまえ、もっとどんなフードがあるとペットとペットペアレントの生活や関係性が良くなるのか。
コンセプトを考えるだけでも一苦労です。
もっと難しいのはそれを商品に具体化する時です。コンセプトを体現するために、原材料や原材料のバランス、フードのサイズや量、味の種類、価格を決めていきます。この具体かの過程の中で、難しい例としてわかりやすいのは、理想と金額のバランスです。どうしても理想を実現しようとすると原材料価格が増え、価格が高くなってしまう。それだとコンセプトを表現できても手に取ってもらえなければ意味がありません。他にも具体化の過程では様々なハードルが現れます。
このコンセプトの企画と表現はとても難しいのですが、そのハードルを超えて表現されたと感じるフードは他社商品であっても素晴らしいフードだと感じます。
商品の特徴を項目から見る中で、もし気になった商品があれば、
- この商品はなぜこの原材料をこれだけのバランスで使っているのか?
- なぜこの大きさや量なのか?
- なぜこの価格なのか?
そして、「この商品のコンセプトはなんだろう?」と考えてみていただけると、健康に良い商品の中から愛犬愛猫のに合うフードを見つけやすくなるかもしれません。